皆さんこんにちは
今回は、ちょっと柔らかめというか、世間的にちょっとニュースになってるネタを元に法律について少し考えてみようと思います。
ニュースと言っても、野球しかも阪神ネタなんですけれどね。
それでは始めてみましょう
ことの始まり
今日のスポーツ紙もとい、阪神系の記事は結構荒れてました。
というのも、岡田監督が2軍落ちしている佐藤選手の現状についてのコメントで
「二軍のピッチャーやから、(中略)全打席ホームラン打ったら価値あるけど」と述べました。
これがちょっと物議を醸したんですね。
確かに、今の一軍の選手陣、二軍で佐藤選手張りに打てる選手何人いるんかと言われたらまぁ。
しかも、身内の投手にもっと点取ってくれってヒーローインタビューで弄られるぐらいに貧打。
そりゃまぁ、打てる奴上げてくれよって思うファン心理もわからないではないですよね。
おそらく、監督心理的にはある程度打つのは解ってるから、問題は守備という話だと思いますが
コメントでも「ヒットの数だけエラーしてる」ってさされてますし。
条件とは
話を法律の方に戻しましょう。
全打席ホームランが『条件』という話でしたが、実は法律の世界にも条件というものがあります。
それが、条件付法律行為です。
条件付法律行為は、成立または効力が特定の条件に依存する法律行為を指します。
例えば、「もしAが大学に合格したら、Bに100万円を支払う」という契約がその一例です。
この場合、「Aが大学に合格する」という条件が満たされたときに初めて、Bに対する100万円の支払い義務が発生します。
条件は以下の2つに分類されます:
- 停止条件:条件が成就したときに効力を発生する契約。前述の例では、Aが大学に合格した時点で支払い義務が生じるため、停止条件と言えます。
- 解除条件:条件が成就したときに効力を失う契約。例えば、「Bが留学する場合には家賃の支払い義務がなくなる」という契約が該当します。
効力が発生するのに停止というと、ちょっとわかりにくい部分はあるんですが。
条件が達成されるまで効力が停止される法律行為と覚えておいてください。
このロジックに乗っかると、岡田監督の「全打席ホームラン」は停止条件ということになります。
不能条件
「ちょっとまって、全打席ホームランとか無理やろ。パワプロか?」
と思われたそこのあなた、僕もそう思います。
実は法律の条件もなんでもかんでも条件にできるというわけではありません。
達成できない条件、これを不能条件と呼びます。
民法上は133条に不能条件の項目があります。
条件が不能、つまり条件が達成しないことが確定していた場合においての処理は:
1.停止条件:法律行為は無効となります。
2.解除条件:法律行為は無条件となります。
法律行為全部無効というはわけではなく、条件の性質次第で処理が変わります。
特に、解除条件は解除の条件がなくなる=無期限という扱いなので、取り扱い注意です。
ところで、『全打席ホームラン』が条件として不能かといわれるとちょっと微妙ですね。
理論値としては、不可能ではありませんし、「四球、本塁打、四球、四球」も全打席ホームランですし。
そもそも、不能条件とすると『不能の停止条件』なので、法律行為としては無効になってしまいます。
つまり、誰も得しないので、ここは不能ではない佐藤選手ならできる、と言い切っておきましょうか。
終わりに
岡田監督のメッセージとしては「そら、守備よ」ということでしょう。
ところが、今回のコメントでは守備に条件は付いてません。
この辺は小賢しいというか、さすが歴戦の名将といったところでしょうか。
今回の記事を読んでいただいた皆様が、「条件とは」を少し考えるきっかけになれば幸いです。
それでは、またお会いしましょう。
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